副業(起業)の始め方から確定申告まで。

フレスペ

副業(起業)の始め方から確定申告まで。

大きな組織の一員として、部下も何人か持つようになり、自分の仕事人生は恵まれていると思う反面、副業(起業)を試してみたい、挑戦してみたいと思う方は少なくありません。

家族が出来て責任もかかっています。無理なことはしない方がいいかなとも考えます。しかし、志を持ったならば挑戦して、失敗したらまたやり直せばいいのです。副業(起業)は大変なだけではありません。楽しんで実現することは可能です。基本を学び、心構えを明確にし行動を起こしてみましょう。

慎重には慎重の気持ちは大切ですが、どんな未来が待っているのかとワクワクしながら、副業(起業)を成功させましょう。

1・起業の目標を明確にする。

コロナ禍の時代に改めて自分を見つめ直すと、このまま今の会社で将来はどうなるのかと不安に駆られることもありますね。こんなに時の波や風が早いと尚更です。終身雇用制度以前に、いくら大企業でも、自分が50歳、60歳になった時の日本や世界の中で、この会社が生き残っているのかも不確かなのです。

不確かならば、心も収入も満たされた生き方を模索するのも今なのです。何かしら満足していない現状があり、自分ならこう変えられるのにと思ったのなら、実現する方法を書き出し、環境を整え、心の準備をしていくのです。

これから、どのような形で仕事を続けたいのかを自分に問い直し、副業や起業に関する情報を集めることが重要です。自治体が開催する起業セミナーや相談会に参加することは、非常に良い情報を得られ、疑問点なども解決する有意義な行動です。

何年かの会社勤務で、獲得した専門知識や得意分野。好きな趣味が仕事に繋げられることもあります。営業スキル、人の話を聞くスキル、すぐに行動できるスキルがあるはずです。好きなこと、得意なことは、もっと知識を得ようと勉強や情報を得ることに時間を費やしてきたことでしょう。大企業の一線で情熱を持って働くうちに、様々な不備な点にも気がつくことも多々あったことでしょう。

 ① 今までの経験から、やりがいのある業種やどんな分野で起業するかを明確にする。

 ② 独立する時期などの一つ目のゴールを決め、そこにたどり着く方法を明確にする。

 ③ 夢は大きく持ち、モチベーションを高く保つ努力目標を明確にし書き出す。

2・時産で副業の時間を作り出す。

時産とは、新たに時間を作り出すことです。いつもの24時間の中から、副業するための時間を作り出すのです。時間をもっと有効活用するのです。

サラリーマンは、勤務する会社に例えば9時から5時までの時間を買って貰っているのです。ですから、副業をしたい、起業がしたいと思っても、勤務時間中は会社のために、極端にいうならば全力投球しなければなりません。そこで時産です。本業の仕事の成果は上げつつ、残業を限りなく0にすることは、部署や社内外からも高く評価されることにつながります。そして、アフターファイブや週末の二日の内の一日を副業(起業)の時間に確保するのです。

①自分の仕事時間の効率の良いところ、非効率なところを書き出して見る。

②外回り中心の営業マンは移動時間の有効性を考える。

③営業先で受けた質問や在庫の確認は、即、可能な限り社に連絡して、訪問先にいるうちに回答を出すことが、訪問回数や電話、メールの手間を減らすことになります。すぐに回答を出すことは、リピート率の向上や、営業先の方にも、対応の速さに満足して頂けます。

④家庭での家事も、子どもの世話も・・・。

家事も普通にこなさなくてはならない方も、家事の時産化に努めましょう。お掃除ロボットや、食器洗い乾燥機、ドラム式洗濯乾燥機などで家事時間を減らせます。また、電動アシスト付き自転車も通勤にも利用出来る場合や、子どものお迎えにも、小回りがきいて便利に使えます。これらは、確かに高い買い物になりますが、他に節約できることを探して、お金をかけるところは、思いきってかけてみることです。少しでも家事の短縮化が進めば、ストレスなく時産によって、自分の時間を確保することが出来ます。

3・家族の理解、協力を得よう。

副業(起業)を決意したら、まず家族に、パートナーに伝えましょう。そして、納得してもらってから、スタートしましょう。反対されることを恐れて、内緒にしてスタートすることだけは、避けるべきです。副業を始めると、日常が変わってきます。まず、時間の使い方が変わり、仕事に対する意識が変わってきます。それは、家族には敏感に伝わり、心配をさせたり、あらぬ疑念を持たれたり、大切な家族を不安にさせることになります。経理やパンフレット作成などで協力を仰ぎ、家族全員で大きな夢を実現して下さい。 

しかし、家族との時間、子どもとの時間はしっかり確保していきます。家族の気持ちも安定し、本業にも副業にも、良い影響を与えていきます。

4・副業(起業)の拠点となる場所を決めよう。

今後10年、20年後に支持される働き方、働く場所はどんなふうになっているのだろうか。大企業などで安定した働き方をするより、社会に貢献出来る生き方や働き方を探し始めている人も多くなっている。そんな人たちが集まるオフィスには、立地や機能、環境や設備が求められるだろう。オフィスの存在意義は非常に大きな役割を持っています。人が集まり、協働する場所としてコワーキングスペースやシェアオフィス、レンタルオフィスなどが選ばれる傾向が強くなって行くと思われます。

事務所スペース、会議室、休憩コミュニケーションスペースなどを共有しながら、独立した仕事を行う多種多彩な仕事人がオフィスに集まり、協働する中で、新たな価値やアイデアが生まれてくる可能性は高まります。副業を意識しだしたら、勤務先の近くにこんな小さな自分専用のオフィスを用意できたら、どんなに快適だろう。仮に独立しても、常に誰かと関わりあって、切磋琢磨して生きていきたいと思う方は多いと思います。

その場所が、勤務先近くに在れば、営業先から会社に帰社する時間がお昼になれば、そこで昼食を取り、副業関連の書籍を読むことにも時間を有効に使える。アフターファイブも、2,3時間を副業の仕事に使える。自宅に帰ってしまうと仕事モードが、途切れてしまうこともあり、事務所にそんなにお金はかけられないが、2-3万円前後であれば、飲み会をセーブすれば何とかなるだろうし、経費として計上出来るのも、メリットです。

5・個人で事業を開始したら税務署に開業届を出した方がいいのか。

副業でも、個人で事業を始めたら、開始してから1か月以内に、税務署へ「開業届」を出す義務があります。罰則規定はありませんので、出さなくても税務署から連絡が来ることもありません。しかし、過ぎていても出さなければいけないことを承知したら、提出することで、副業へのモチベーションや途中で諦めないという継続する気持ちが期待できます。

開業届を提出すると、銀行口座の開設などに屋号( お店や事務所の名前です。例 ココチカ物産・ココチカ企画など)を入れる事ができます。

開業届を提出すると青色申告を選ぶことが出来ますので、開業届と同時に「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。税務署の定める方法で収支の帳簿の記帳をする必要がありますが、最大で55万円(電子申請は65万円)の所得控除が出来、赤字になった場合は3年間繰越出来、黒字になった年の税金を安くすることが出来ます。

開業届を提出することは、メリット大ですが、少なからずのデメリット(会社を退職した時には失業保険の給付対象にならないなど)もありますので、心配な方は起業相談会などで、専門家に自分の副業の規模や内容を話して、検討することをお勧めします。

6・副業の節税対策、確定申告の仕方(副業が会社にバレないために重要な事項)

副業(起業)をするにあたっては、確定申告が心配になります。

国は働き方改革で副業を推奨し、就業規則で認める企業も多くはなっていますが、勤務先が、まだ副業を認めていない場合など、会社に知られないように確定申告をしなくてはなりません。まず、副業(起業)の収支を管理することから始めましょう。

①副業(起業)専用の銀行口座を用意しましょう。

副業(起業)のお金の管理を明確にするためには、開始時に用意した資金を入金し、開業経費や取引先企業への支払い及び取引先企業や顧客からの入金や支払経費を銀行口座を通すようにします。お金の流れが通帳や口座アプリを見れば一目瞭然には把握出来ます。

半年、1年の節目の中途でも、副業にかかった経費、売上が簡単にわかります。面倒な面もありますが、経理を専門に雇うなり、外注に出すようになるまでは、この方法でお金の管理がきっちりとわかります。

屋号での口座開設は、税務署に提出した開業届の控えの提出で個人名に屋号をつけた口 座を開設出来ます。個人名でも、問題はないのですが、取引先や顧客からの振込口座には、屋号がついていた方が、信用と安心を与えます。

口座はネットバンキングを利用し、夜や朝、通勤中でも支払いや入金チェックができ効率的です。キャッシュカードにクレジット機能が付いた物にすれば、副業で使う文具や設備機器もクレジットカードを使用し、経費の管理がしやすくなります。ただし、このカードは、経費で落ちる以外の買い物に使わない様に、厳重に注意しないと経費管理が崩れてしまいます。

②経費とはどのようなもの?

オフィスを借りれば、コワーキングスペースやシェアオフィス、レンタルオフィスでも、地代家賃。 副業用の携帯電話や文具や社印、ゴム印などは消耗品費。副業関連の書籍は新聞図書費。 名刺やパンフレットは広告宣伝費。営業先に電車で移動は旅費交通費。営業先への手土産は交際接待費。携帯電話の料金は通信費。と副業の動きの中でも経費は常に発生します。 

しかし、10万円以上する機器などは減価償却資産としての計算方法もありますので注意が必要です。減価償却資産とは、業務に使用していて、かつ時間の経過とともに資産価値 が減少する固定資産のことです。

③確定申告の仕方(副業が会社にバレないために重要な事項)

確定申告とは、会社員は年末調整をしますが、副業の場合は、毎年2月16日から3月15日の期間に前年の収支を申告して税金を払うことです。税務署への申告は青色申告をします。帳簿は、領収書と銀行通帳をしっかり管理しておけば、それほど煩雑な作業にはなりません。収支の収は収入のことです。支は経費のことです。所得は収入から経費を引いた残りの金額です。例えば、前年の1月から12月の収入が、380万円。経費が170万円。残った金額の110万円が所得となります。         

あるいは、収入が115万円。経費が180万円の場合は所得がマイナスということになります。その場合は、確定申告をして本業の会社員で支払った所得税がいくらかでも還付されることになります。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」ではサイト上で確定申告 書が自動で作れ、プリントアウトすればそのまま税務署に提出出来ます。

その際に非常に気を付けて頂きたい重要な事項があります。「住民税に関する事項」です。その住民税の支払い方法をチェックする欄は必ず、「自分で納付(普通徴収)」にして下さい。チェックし忘れたり、給与から差し引きの特別徴収をチェックすると、税務署からお住まいの市区町村の住民税課を経由して給与と合算した金額を給与から引いて下さいという情報が 会社に行き、給与以外の所得があることが分かってしまいます。副業分の住民税は、給与とは別に自分で納付しますからという表示になります。

副業が軌道に乗り、起業した場合は、「e-Tax」というサイト上で確定申告書を作成して申告できる「国税電子申告・納税システム」を利用するといいでしょう。電子証明 書を取得した上で専用ICカードライタを準備しなければなりませんが、便利なシステムです。

なお、確定申告の方法や税率、控除金額等、法改正で毎年のように変更されますので、申告書を作成する際には、国税庁のホームページや記入の仕方のパンフレットなどで確認しながら進めることをおすすめします。