最近よく聞くノマドという言葉、本来は英語で遊牧民を意味する言葉nomadを語源としていますモンゴルなどが有名ですが広大な土地で家畜と共に移ろいながら暮らす人々の総称です。
最近ではアメリカで車上生活を送る人々を題材に作られた「ノマドランド」という映画もありますね。それらのように自由なスタイルで暮らす人々といったイメージがあると思います。
現代では時間や場所に制限を受けずに働くスタイルをとっている人々の事をノマドワーカーと称したりする事もあります。自由な生き方として憧れを持つ人も多いと思いますが、元々の語源となった遊牧民と同じくそれ故の大変さもつきまとう生き方であると言えるでしょう。
ノマドワーカーという言葉と共にフリーランスという言葉を耳にすることがあると思いますが、似た意味に思われる2つの言葉ですが少し意味合いが違います。
フリーランスとは、個人で企業から仕事を受注して働く事を意味しており、ライターであったりデザイナーといった職種の人などの一部がこのような働きかたをしています。場合によっては時間や仕事をする場所が決まっている場合もあるので全てのフリーランスがノマドワーカーというわけではありません。
もちろんフリーランスである事はノマドワーカーになりやすい一面もあります。先に上げたライターやデザイナー等の仕事では仕事を受注した後は基本納期さえ守れば過程は自由だからです。もちろん打ち合わせや進捗確認等で時間を合わせる事もあるでしょうが基本的には何処で何時仕事していても問題ない場合が多いのです。
その事からフリーランスでノマドワーカーという方も多くいます。ただしその2つは同じ事を指すわけでは無いと言うことです。
ここまで読んで「ノマドってパソコン1つで仕事をしている人達ってこと?」と思っている方入るでしょうか。それもノマドワーカーになる為には必須な条件でありますが、それだけではノマドワーカーとは呼べません。
現在ではリモートワークを取り入れている企業も多くありますが、ノマドワーカーとリモートワークの大きな違いは場所と時間の制限の自由さにあります。現状リモートワークが増えている背景にはコロナの為出社を必要としない働き方を考える必要性に迫られた事があります。
コロナの流行がなければ今でもリモートワークはここまで浸透していなかったであろうことは想像に難くありません。一種の代替え案であり、その為リモートワークは何時から何時まで働いているか明確にした上で企業が管理する事が前提になっています。会社でやっていた事を家でやっているだけで自由度はそんなに無いということです。
将来的にはリモートでの働き方も更に変化しノマドワークに近い形になるかもしれませんが現状でははっきりとした違いがあると言えるでしょう。
ノマドワーカーと聞いてその自由度を想像して憧れる人も多いと思いますが、反対に「なんか面倒臭そう」とか、「ノマドワークのメリットって何なの?」とか思う人もいると思います。仕事に対する価値観は様々なので当然ですがノマドワークのメリット、デメリットはどういったところでしょうか
といったところでしょうか。メリットはやはり自由度の高さです。
パソコンと通信環境さえあれば仕事ができるのでそれこそ旅行しながらでも仕事ができるので旅行が好きな方には最適かもしれません。デメリットとしては自分でスケジュール管理をする必要があるということが大きいでしょうか。
小学生のころ夏休みの宿題を最終日に残していたような方には向いていないかもしれません。またノマドワークが可能な仕事は様々ありますが、現状では内職や副業のようなものも多く一部の職種以外は本業としてそれ一本で生活するのは難しいものも多いのが現状です。
ではノマドワークに適した職種とはどのようなものがあるでしょうか。
では実際にノマドワークをする人々はどういった場所を選んで仕事をしているのでしょうか。自宅での仕事は通勤時間、仕事スペースへの移動時間がかからないと言うメリットや、職種によっては自宅に資料などがあり自宅での仕事が一番便利であると言う場合もあります。
デメリットとして仕事に集中するための環境が無いと集中しづらく、仕事とプライベートの境界が曖昧になりストレスになるといった事が挙げられます。この理由から他の場所で仕事をするスタイルになる方が多いのであると思われます。
色々な場所で自由に仕事をする事ができるノマドワークですが、最近耳にすることが多いコワーキングスペースってノマドワーカーの集まる場所なの?と思っている方はいるでしょうか。
コワーキングスペースとはオフィスのような環境を様々な人が使えるようにした施設の事です。英語でCoWorkerコワーカーとは同僚を意味します。最近耳にするコワーキングスペースとはCoworking Space(共に働く場所)の通り、企業のオフィスがありそこに企業の社員が集まって仕事をするスタイルではなく、オフィスと同じ環境を提供しつつ、それぞれ独立した企業の社員が集まりそれぞれの仕事をする場所になります。休憩スペース等ではそれぞれの人が会話もでき他企業、他職種の人ともコミュニケーションがとれ幅広い発想や知識の共有などが行える事がその最大のメリットであると思います。
さて、ではコワーキングスペースにいる人は皆ノマドワーカーということなのでしょうか?答えはNoです。
コワーキングスペースとは共同のオフィスという意味合いが強く、コワーキングスペースにいる方の多くは企業勤めの方も多くいます。基本的にはノマドワーカーだけの為のものでは無いのです。
しかし、ノマドワーカーにとってもコワーキングスペースは環境が整っており仕事をしやすい上に、1人で仕事することが多くインプットが少なくなりがちなノマドワークのデメリットに対して様々な業種の人間が集まることからインプットが多くなり発想が広がるといった好循環を生むこともあります。ノマドワーカーの中には好んでコワーキングスペースを利用する方もいます。
それでは逆にノマドワーカーがコワーキングスペースを利用するデメリットはあるのでしょうか?。
ノマドワーカーにとっては自由であることが最大のメリットなのです。 コワーキングスペースには独自のコミュニティーも存在しているためオフィス勤めの人とのしがらみが苦手でノマドを選択しているような人には向いていない選択となるかもしれません。
とは言え、多くのノマドワーカーにとってはメリットのほうが大きくコワーキングスペースがあれば利用したいという方も多いでしょう。もちろん、コワーキングスペースのコミュニティーと全くコミュニケーションを取らずに仕事をすることも可能です。
科学技術の発展に伴い生き方、働き方のスタイルにも変化が起こり始めています。働き方の進歩は今より自由な働き方を求める時代であると言えます。ノマドワークはその一つですがこれからも更に働き方は進化していくと思います。
コワーキングスペースでもバーチャルオフィスを設けるものも出てきています。今後より一層ICTが発展すればノマドワークの形も変わって行くかもしれません。働く場所の制限がなくなる事で企業勤めの方でもノマドワークに近い働き方ができる時代が来るかもしれません。
ノマドと言う生き方は人々が憧れる自由の象徴なのかもしれません、科学技術や通信技術の進歩によってその障害が取り除かれて行ったことにより実現可能となった働き方なのだと思います。
今後も更に発展して現在あるノマドワーカーになるための障害も減っていくと思います。もしノマドという生き方に共感し憧れる方がいたら一考してみても良いかもしれません。
ノマドワークとは自由な時間、場所で働く生き方の事です。その自由の中には仕事を個人で管理する事も大切になります。
収入を増やすのも減らすのも、仕事の数を増やすのも減らすのも自由になるという事だからです。安定してノマドワークをするためには一定の技術も必要になりますが、たいていそういった技術を学ぶ場も存在しています。
もしノマドという生き方に共感し、憧れている方がいたら現在の状況からそのような学ぶ時間を設けてみると良いかもしれません。必要な技術や知識を学べると共にそういった時間の作り方、短い時間を有効に利用するといった事自体がノマドワークに必要な資質とも言えるからです。
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