コワーキングスペースの比較と解説

コワーキングスペース

Coworking Space(コワーキングスペース)は、副業やフリーランス、個人事業主、起業家などが業務を行うために、月額契約やドロップインで共有のワークスペースを利用する貸オフィスです。ワーカー同士がコミュニケーションを図りながら知識や情報、アイデアを持ち寄り時間を共有する場所でもあります。

 その交流の中で互いに刺激を受けつつ、更なるビジネスチャンスに繋ぎ合う協働、共働の環境を作り出す場所でもあります。一人で仕事をする人達の心身の健康も考えて、集中とリラックス、リフレッシュ効果を作り出す環境も用意されていることがコワーキングスペースの特徴的なところです。

 また、初期費用や固定費を抑えるために創業資金に限りがあるスタートアップ企業などもオフィスコストを抑えるためにコワーキングスペースを利用するのが、オフィス確保の方法になりつつあります。そして、最近は中小の企業だけでなく、大企業もコワーキングスペースにビジネスの可能性を求めて、利用が広がっています。

 そこで、多くのコワーキングスペースの中から、何処のどのコワーキングスペースに決める決め手を様々なタイプの中から比較しながら、探って行きましょう。

変化を続けるオフィスの在り方を比較

 新型コロナ感染症の流行の為、web会議やテレワークが拡がりました。ワークライフバランスを整えるために働く場所、働く人の利便性や安全性、感染症予防から密を防ぐ面からも、今までのオフィスの在り方が考え直されています。ビジネス業界も、働き方改革の推進、従業員の利便性や、安全性、生産性の向上などから、コワーキングスペースの利用を視野に入れる会社が増えています。小規模でユニークなコワーキングスペースもあれば、大規模なコワーキングスペースも数多く運営され、拠点も国内だけでなく、世界的な規模のコワーキングスペースも多く出現しています。今や大企業も利用し始め、2021年を境にオフィスの在り方自体が大きく変わりつつあります。

コワーキングスペースのサービスを比較

コワーキングスペースの比較と解説 (2)

 多くのコワーキングスペースが運営されていますが、立地、周辺の環境、建物やビルの造り、空間の造り、設備、利用時間、利用料やオプションの価格、拠店網、サービスの内容などに違いがあり、利用条件も多岐にわたっています。コワーキングスペースという同じ呼び方ですが、運営スタイルはレンタルオフィスや、シェアオフィスのようなサービス内容であったり、スタートアップ企業の支援に重きを置くところなど、様々です。各施設のカラーや特徴を比較して仕事時間を有効に使えるように選びたいと思います。

 コワーキングスペースは、様々な職種の人たち、異なる企業に勤める会社員や個人同士が共同で利用したり、会議室をシェアしたりするオフィスです。そしてもっとも、重点を置くことは、スペース内でイベントや交流会が開かれ、利用者同士のコミュニケーションを円滑にすることでもあります。

 利用者同士の、交流から派生するコミュニケーションを通して、人を紹介したり、ビジネスをマッチングさせる支援を行うコミュニティマネージャーというスタッフを揃える施設もあり、益々、サービスの種類や質も向上しています。

コワーキングスペース利用は月額会員か一時利用かを比較。

 利用頻度から、月額会員かドロップインの利用かを決めましょう。

・毎日のように利用する予定  月額会員がおすすめです。

・たまにしか利用しない   ドロップインの利用がおすすめです。

 コワーキングスペースを週に4、5日以上は、自分のオフィスとして利用するのであれば、月額契約プランで固定席を確保できる施設を探しましょう。比較的に小規模のコワーキングスペースでは個室や固定席を契約しなければ、満席で利用できないことがあります。しかし、月額会員なら、オープンスペースが混雑していたり、満席の際でも、席が確保されているので安心して仕事ができるメリットがあります。予約したりする手間もなく、他の働く場所を探す手間もなく働くことができます。

 週に一日だけゆっくり利用したい、10日に一度ぐらいで2.3時間だけの利用など、通常はほぼ、自宅で仕事だが、たまには気分を変えたい場合、出張での移動などでの、一時利用はドロップインで利用するのがいいでしょう。10分単位から、利用できるコワーキングスペースもあり、無料のフリードリンクもついているので、カフェに入るように気軽で便利に利用できます。 デメリットとしては、人気のコワーキングスペースでは、利用したい時に満席で利用できないこともあります。

無料で利用できる設備やサービスを比較

 コストの削減をお考えなら、無料で利用できる設備が充実しているコワーキングスペースを色々と比較しながら、探してみましょう。

  • 机・椅子・衣類ハンガー・アルコール消毒剤・空気清浄器・コンセント
  • パソコン周辺機器(USB専用コンセント、ACアダプター5V/500ma)プリンター・複合機・シュレッダー・文具・パソコンやスマホのコード
  • ソフアー・シャワールーム・仮眠室
  • インターネットの通信料・光熱費
  • アロマ・無料の飲料(コーヒーや紅茶などが主流ですが、ビールも提供されるところもあれば、健康に留意したフレッシュジュースがあるところ、パンやナッツ付きのところもあります。)

オプションプランの設備やサービスをを比較

  • 鍵付きの専用ロッカー・個室利用・専用デスク(席が固定され私物が置けるタイプ)・複数拠店利用・宅配便受取用専用ロッカー・フォトスタジオ・電話ブース・会議室(Wi-Fi、プロジェクター・テレビモニター、ホワイトボード)・ラウンジ、キッチン(電子レンジ)・セミナールーム
  • サウナ、温浴施設、レストラン、託児所、トレーニングマシン、ライブラリー、ギャラリー、ヨガスタジオ・瞑想室・飲み物自販機、駐車場・駐輪場など。

営業日、利用時間を比較。

 年中無休か、平日のみの利用で祝日や土日は利用できないのかは、仕事の内容によっては、非常に重要な問題です。運営会社の営業時間によるところが大きく、最初に徹底的に良く調べることが大切です。

 自分の仕事の進め方が、夜遅くまでかかる場合や、土日も利用しなければならない場合は、年中無休24時間営業の施設が必要になります。仕事は平日のみで、土日はあまり仕事はしない主義の方、しっかり5時には仕事を終える方など、仕事のスタイルは様々です。ご自分の利用したい時間帯の利用ができる施設の中から、選ぶといいでしょう。

 利用時間は24時間でも、会議室や、受付スタッフのサポートは時間が限られているなど、同じ運営会社でも、拠店によっても違いがあります。細かい点ですが、利用する前に詳しく、各施設に問い合わせることも大切です。

コワーキングスペースの立地場所を比較 

 下記のように、コワーキングスペースの場所を決めるのも、各施設のコンセプトや特色を比較しながら、探すのも楽しみです。

  • クライアントが訪問しやすいアクセス便利な主要駅の近くの場所か
  • イベントやセミナーを開催する場合、集まる人たちが集まりやす利便性が良い場所か
  • 事業のステイタスも考えて、イメージのいい東京都心の好立地な場所か
  • ビジネスマンに人気のエリアである渋谷駅や青山駅、あるいは日本橋駅徒歩圏内の場所か
  • 本業の会社のあるエリアか、同じ路線にある場所か
  • 自宅の最寄駅や子供の保育所の近い場所か
  • 自宅から少し遠くても、取引先に近い場所か
  • 新しいビル内の、最新設備のコワーキングスペースか
  • 自然豊かなリゾート地や山や海、森の近くなど非日常空間にある場所か

法人登記や住所利用が可能かどうかを比較  

 事務所としての体面も整えたい場合は、その全てが可能かどうか。オプション料金体制はどうかなどを、総合的に判断し、各施設を比較してみましょう。

  • コワーキングスペースを事務所として利用し、法人登記が可能か。
  • 住所利用をして名刺にもアドレスを記載できるか。
  • 社名プレートをコワーキングスペースのエントランスに掲示できるか。

事業として対外的サポートを比較

  • コンシェルジュ(有人受付)が常駐
  • 法人登記
  • 郵便受取・転送
  • 私書箱
  • 電話取り次ぎ
  • 来客対応
  • 秘書代行サービス・お茶出し
  • 専用電話回線、FAX番号取得
  • セキュリティ対策・警備体制の徹底

 但し、コンシェルジュが常駐して、あなたの会社の秘書代行をしてくれるなど、サービスが多ければ多い程、事業としての対外的価値は上がりますが、オプションとして、価格は料金に上乗せされます。

 どこまでが、今、自分のビジネスに必要かどうか、サービス内容と価格をそれぞれ、比較検討して導入するかを考えてみて下さい。

イベントや、セミナーの開催される頻度や内容を比較

 コワーキングスペースの利用が、仕事仲間を増やしたり、情報交換やビジネス環境の共有などを求めているのであれば、セミナールームや、セミナースペースがあり、イベントが活発に開催されるコワーキングスペースを選ばれるといいでしょう。どのような企画が多いか、開催される頻度は、月や週に何回くらいか。参加者数はどのくらいか等、施設や運営会社にリサーチするといいでしょう。

コワーキングスペースは複数拠店か、単独オフィスか。

 仕事の拠店は東京に置き、月に一度の大阪・名古屋・福岡などの出張時にも、すぐに使えるワークスペースがあるコワーキングスペースを選んでおけば、ストレスなく仕事に集中できます。また、日本国内に新たな顧客を開発したいなど、軸足となる拠店の他にも全国的に相互利用ができるco-baネットワークなどを利用すると、様日本国内での活動に向けての展開がスムーズになると思います。そして、海外にも、ビジネスチャンスを求める場合は、世界中に拠店網があれば、非常に心強い足掛かりになります。

コワーキングスペースの組み合わせが楽しみな設備

 ただ単に、仕事をするだけの設備を求めるのでなく、発想の転換から、サウナ付きのコワーキングスペースという、意外な組み合わせから、従来の価値観を考え直させてくれます。つまり、仕事場とサウナ施設が一体化した空間で、一段落したり、作業に飽きたらサウナに入り、ストレスを溜めることなく、心身をリフレッシュ効果を得ることができます。他にも、サウナ会議では、ネクタイを取ることで、上下の垣根や、普段は出来ない意見などのやり取りも自然に受け入れることができるなど、仕事はデスクでという、従来の考え方が変わりつつあります。オフィスの随所に観葉植物を置き、アロマテラピーで、「気」を落ち着かせ、脳の負担を減らし、判断力を強化するなど、今までの会社やオフィスの在り方と違い、仕事には、柔軟な発想も必要という新しい組み合わせのコワーキングスペースが増えています。そして子育て中の方にとっては、託児所や保育園が併設されているコワーキングスペースは、本当に安心して働ける、嬉しい施設です。

WeWork(ウイーワーク)のプランを比較

コワーキングスペースの比較と解説 (4)

 ウイーワークは、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市に本社を置く起業家向けのコワーキングスペースです。世界中にロケーションが800以上もあり、日本国内だけでなく、海外展開を視野に考えている、あるいは展開中の企業には、非常に心強い施設です。

「We Passport」月額利用料金は、契約条件によって変動があります。利用希望拠店に

コワーキングスペースの比較と解説 (3)

 「We Passport」は、1拠点で「We Passport」付きのプライベートオフィスを契約した場合、他拠店の共用エリアや会議室が自由に利用できます。利用できるWeWorkオフィスは、国内6都市(東京・横浜・名古屋・大阪・神戸・福岡)の30拠店以上にもなります。 

「ALL Access」月額39,000円(税抜き)

コワーキングスペースの比較と解説 (4)

 「ALL Access」は、国内6都市30拠店以上のWeWorkオフィスの共用エリア、会議室、電話ブースなどが利用できるプランです。自宅や出張先では中々仕事がはかどらないなどという方に利用頂きたいプランです。

  • 1.丸の内・日本橋・大手町エリア
  • 3.銀座・日比谷・有楽町エリア
  • 4.新橋・虎ノ門エリア
  • 5.四谷・半蔵門エリア
  • 6.六本木・神谷町・赤坂エリア
  • 7.渋谷・青山エリア
  • 8.新宿・西新宿・代々木・大久保・高田馬場エリア
  • 9.五反田・目黒エリア
  • 10.池袋・大塚・目白エリア
  • 11.晴海エリア
  • 12.浜松町・田町エリア
  • 13.秋葉原・神田エリア
  • 14.四ツ谷・麹町・永田町エリア
  • 15.五反田・目黒エリア
  • 16.原宿・表参道エリア
  • 17.神保町・お茶の水エリア
  • 18.門前仲町・勝どき・豊洲エリア
  • 19.横浜・みなとみらい・関内エリア
  • 20.名古屋エリア
  • 21.梅田・堂島・福島エリア
  • 22.難波・心斎橋・堀江エリア
  • 23.神戸・三宮エリア
  • 24.天神エリア
  • 25.仙台エリア

 都心から自宅の近くでの勤務・分散チームへのサポート強化、あるいは、集中的に業務を行う専用スペースなど、あらゆる規模の企業に対応できる規模と柔軟性があります。4種類のビジネスプランがありますので、働き方にあったプランを比較しながら選ぶといいと思います。 

ワークスペース (全て24時間アクセス可能)

  • スタンダードオフィス(プライベートオフィス)理想のチーム人数1人~20人
  • オフィススイート(専用アメニティーのオプションを備えた大規模なチームのためのオフィス)理想のチーム人数20人~100人
  • 専用フロアオフィス(レイアウトを変更できる専用フロアオフィス)理想のチーム人数100人以上
  • 専用デスク(共有プライベートオフィスで自分だけのデスクワーク)理想のチーム人数1人

設備(無料)

  • 共有ラウンジ/24時間
  • 打ち合わせスペース(オープン)
  • 給湯室/シンク・電子レンジ
  • 共用Wi-Fi
  • ドリンクサービス

設備(有料)

  • 会議室・便受取転送・線LAN・会員サイトバナー広告、車場・駐輪場
  • スタジオ・パウダールーム・お茶出しサービス・シャワー・電話ブース
  • ロッカー・宅配ロッカー・チラシ、パンフの館内設置・複合機印刷/カラー  

ナレッジソサエティを、利便性・信頼性で比較

コワーキングスペースの比較と解説 (1)

 ナレッジソサエティは東京都千代田区九段にあり、駅も近く好立地な場所にあります。銀行所有のブランド力のあるビル内のオフィスです。フリーランスや起業家におすすめのシェアオフィス・バーチャルオフィス・レンタルオフィス機能を併せ持つワークスペースです。独立や起業に役立つイベントや交流会・セミナーを随時開設。ビジネス拡大の様々なサポート機能の一つとして、各専門家による経営支援も充実しています。そして嬉しいことに、銀行ビル内に法人登記が出来、無料です。セミナールーム・動画スタジオがあり、レンタルスペースや貸し会議室としても利用が可能です。

アクセスポイント(九段駅徒歩30秒)

神保町(徒歩5分)・飯田橋(徒歩15分)・水道橋(徒歩13分)・市ヶ谷(徒歩18分)・竹橋(徒歩10分)などの駅からも近く、大手町・渋谷・新宿などの主要駅に乗り換えなしで移動できます。

営業時間

平日、土日 8:00~22:00  祝日・年末年始  休館日

サービスポイント

 ナレッジソサエティのサービスの特徴として、ミーティングから、会議、セミナー会場としてリーズナブルな価格で利用できるスペースの充実度が高いことです。セミナールーム、幅のある収容人数に対応できる大小様々な大きさのアレンジメントルーム、KSスタジオ、パウダールームなどがあります。

シェアオフィスメンバー (一か月/32,780円~)  入会金 33,000円 保証金 90,000円

コワーキングスペースの比較と解説 (3)

ドロップインの利用 2200/日(同じ組織の別メンバー利用は月3回まで)

  • 集中スペース・打ち合わせスペースが便利に使える
  • 法人登記可能
  • 電話転送 (受信のみ3,300円/月・受発信5,500円/月)
  • 郵便物転送(リアルタイム転送4,400円/月・スポット転送2,200円/月・到着通知1,100円/月)
  • 有線LAN 1,100/月(2PC)
  • 複合機印刷 (カラー50円/枚 黒10円/枚)
  • インクジェットプリンター 無料(コピー用紙も無料)
  • 会員サイトバナー広告 (ページ上部:3,300円 ページ下部:2,200円)
  • 受付対応
  • 会議室利用(半額)
  • フリードリンク
  • セミナールーム110円/1時間
  • お茶出し110円/杯
  • ロッカー(小 3,300円/月・中 6,600円/月 ・大 16,500円)
  • チラシ・パンフレットの館内設置 無料

バーチャルオフィスメンバー  (1か月4,950円~) 入会金 16,500円 保証金 30,000円

コワーキングスペースの比較と解説 (2)

ドロップインの利用 2,200/日(月3回までゲストもカウント)

  • 法人登記可能
  • 電話転送 (受信のみ3,300円/月・受発信5,500円/月)
  • 郵便物転送(リアルタイム転送4,400円/月・スポット転送2,200円/月・到着通知1,100円/月)
  • 有線LAN 1,100円/月(2PC)
  • 複合機印刷   (カラー50円/枚 黒10円/枚)
  • 会員サイトバナー広告 ページ上部:3,300円 ページ下部:2,200円
  • 受付対応
  • 会議室利用
  • ロッカーはいずれも利用不可
  • お茶出し220円/杯

まとめ 検索サイト「コワーキングスペースならココチカ」で、最上のオフィス環境を探してみましょう。

 企業文化(コーポレートカルチャー)と似た言葉に組織風土という言葉があります。組織風土とは、企業や組織に根付いたトップの考え方などによって培われた暗黙のルールや習慣などを指します。一方、企業文化とは人間が自ら作り出すものである。企業が市場の変化や社会情勢の変遷を受け、意図的、戦略的に形成し変革する時が来たようです。今、コワーキングスペースがオフィス環境や仕事の仕方に大きな影響を与えています。

 色々な角度から、心地よい、納得のいく自分の働く場所、そしてビジネスを大きく伸ばしてくれるコワーキングスペースを探して、最良の働き方をしてみるのはいかがでしょうか。