フリーランスの注意すべきリスク管理~その対策としての保険について

コワーキングスペース

■フリーランスと従業員(会社員)とのリスクの違い

フリーランスは企業の従業員(会社員)と比べて、万が一の自身の病気・ケガや業務上のトラブルなどの際にサポートしてもらえることが限られており、ほぼすべてリスクを自分自身で解決していかなければなりません。

また、フリーランスでシェアオフィス、コワーキングスペースなどで業務をされている方は、リスクが多様化するためより注意が必要です。

すでに認識されていることもあるとは思いますが、これからフリーランスに転身される方にも是非、知っていただきたく以下に想定できるリスクについて、纏めてみましたのでご参考いただけますと幸いです。

■まずは自身のケガ・病気リスクから身をまもろう!

会社員(従業員)は病気になってしまった際に健康保険、業務中の事故によるケガは労災保険にて適応となります。

しかし、フリーランスは病気の際には国民健康保険が利用できますが、業務中のケガは会社員と違って労災保険はありません。

労災保険とは組織化された企業に属する労働者を守るものであって、フリーランスを守るものではありません。

では業務中のケガは全額自己負担になってしまうのでしょうか。

ご安心ください。

フリーランスは国民健康保険を利用することができます。

但し、会社員の健康保険や労災保険とは違い、補償が限られていますので、注意が必要です。

会社員の健康保険では、一定の条件により、病気やケガで働けなくなってしまった際の休業補償がありますが、                            フリーランスにはありません。

よって自身が病気、ケガをされた際に国民健康保険ではカバーできない補償を民間の保険などでご用意いただくことをお勧めします。

■高まるサイバー攻撃や盗難による取引先、個人の情報漏洩に注意!

近年、個人情報漏洩に関する事故が多く発生しています。

以前ですと、個人情報の紙ベースでの紛失や業務で使用するパソコンの置き忘れや携帯電話の紛失による原因が主流でしたが、近年、企業や個人に対してのサイバー攻撃やフィッシングメールによる漏洩リスクが増大しています。

フルーランスで業務を請け負っていても、個人情報や企業情報の取り扱いにより、自身のパソコンから流失してしまったなどの場合には取引先や個人から損害賠償請求されてしまうケースがあります。

会社員は企業からセキュリティに関しての制限やウイルス対策ソフトなどで、一定の対策をされているケーズが多いですが、フリーランスは高度なセキュリティソフト導入が費用的なことから、難しいこともあり、情報管理におけるリスクが非常に高くなっているのが現状です。

また、フリーランスは業務を行う環境や場所もフレキシブルなため、書類やパソコン等の置き忘れや、無料Wi-Fiから侵入されるウイルス感染などによる情報漏洩に注意が必要となります。

シェアオフィスやコワーキングスペースで業務中に少しでも離席される際には、機密書類やパソコンの管理や不明メールやフィッシングメールの開示等にも注意しましょう。

■自転車移動による事故! ~賠償リスクから身をまもる~

フリーランスはシェアオフィスやコワーキングスペース、取引先に向かう際に自転車を利用されることも多いと思いますが、その際に気をつけてなければならないことがあります。

自動車での移動による事故は自賠責保険や任意保険でカバーされますが、自転車による事故は、別に自転車専用の保険などに加入していなければ対人・対物事故が発生し、相手に損害を与えてしまった場合、金銭的な補償はすべて自己負担となってしまいます。

自動車と違い、自転車による事故は軽微なものと思われがちですが、最悪な死亡事故や後遺障害を負わせてしまうケースでは高額な損害賠償事案として1億円近いは判決も出されています。

このように自転車事故が多く発生している状況もあり、交通ルールの法規制を強化したり、自転車保険の加入を義務化してる自治体もでてきました。

会社員であれば、業務中の事故は企業の責任となりますが、フリーランスは自分で身をまもらなければならず、自転車保険や業務中の賠償責任保険などへの加入をお勧めします。

■コワーキングスペース、レンタルオフィス等の施設破損による賠償リスク

フリーランスとして、レンタルオフィス、シェアオフィスやコワーキングスペースで、業務中に、万が一火災を発生させてしまたり、水漏れをおこしてしまった際には施設の所有者に対して、原状復帰の義務が生じます。

火災や水漏れはリスク上、限れられていると思いますが、什器・備品などを移動中に破損させてしまったり、ガラスやパーテーションなどを傷つけてしまったりした際も同様に修理費用を請求されるケースもあります。

このようなリスクから守るため、一般的に家や事務所を借りる際に家主さんや不動産から、賃貸期間中の火災保険に加入することを条件とされています。

この火災保険は火災や水漏れを起こして、家主さんなどに損害を与えてしまった際に損害箇所を修理する費用などをカバーするだけでなく、階下の住居者の家財に損害を与えてしまった場合や、自分の家財や備品に損害が出てしまったきにも補償されるので、加入をされているか不明な場合には、一度確認してみてください。

まだ加入をされていなければ、火災保険や借家人賠償保険などの加入をお勧めします。

■IT・コンテンツ事業の賠償リスク

フリーランスは様々な業務を請け負っていますが、ここではIT関係やコンテンツ業務を主に請け負っている方向けに注意すべき点についてご紹介いたします。

先のご紹介した情報漏洩についてもそうですが、IT業務では納品したITサービスにミスがあり、取引先に損害が発生し、損害賠償請求されるケースがあります。

例えば、納品したシステムが原因でバクが発生し、取引先のシステムが使用できす、代替手段を要した費用等にについて請求されるようなことです。

取引先との契約条件に、損害発生時の責任についてや、金額的な責任範囲など具体的に明記されていることもありますので、事前に確認してくことが重要です。

コンテンツ事業にともなうものでは主に、著作権の侵害があげられます。

広告業やデジタルコンテンツ業などで知らずに他人の著作権を侵害してしまい、広告使用料や慰謝料を含めた損害賠償請求されてしまうことも発生しております。

レンタルオフィス、シェアオフィスやコワーキングスペースで業務を行うと情報共有できるなどメリットも多いですが、情報漏洩であったり、想定外に著作権を侵害してしまったりするケースにも注意が必要です。

このような場合でも、IT・コンテンツ事業向けの保険で、一定条件のもとに補償がされるものがありますのでご参考ください。

■フリーランのリスク、その対策としての保険

各項目でフリーランスに想定されるリスクを一部、ご紹介しましたが、保険に加入することで一定のリスクヘッジが可能となります。

上記のおさらいでリスクと保険についてまとめてみました。民間の各保険会社やフリーランス向けの保険もありますのでご参考ください。

フリーランス自身のケガ・病気のリスク

⇒生命保険・傷害保険・医療保険・所得補償保険など

情報漏洩のリスク

⇒個人情報漏洩保険、サイバー保険など

自転車による事故のリスク

⇒自転車保険、賠償責任保険など

レンタルオフィス、シェアオフィスの施設破損リスク

⇒火災保険、借家人賠償保険など

IT・コンテンツ向けの賠償リスク

⇒個人情報漏洩保険、サイバー保険、IT・コンテンツ向け賠償保険など

※補償の内容や保険料など詳細は保険会社毎にも異なりますので、直接保険会社や団体へお問い合わせをお願い致します。