コワーキングスペースの経営は難しい?利益を出す店舗展開、運営するために必要な要素とは

コワーキングスペース

コワーキングスペースの件数は利用者の増加に伴い増えてきており、多くの方に知られる様になって来ています。オリンピックの影響を受けて更にその伸びは加速すると見られていますが経営するに当たって今後も持続して利用者を増やし、利益を上げる運営のために必要な事とはどういった事があるのでしょうか。

スペースが有ればいいと言うものでもないのが現状のようです。利用した人が継続して顧客になってもらうためには運営者も多くの事を考える必要があるようです。そのように難しそうなコワーキングスペースの経営に関してこの記事では考えていきたいと思います。

コワーキングスペース開業に当たって運営者が考えるべき店舗展開とは

まずはコワーキングスペース開業に当たってどのような事が必要になってくるのか紹介して行きましょう。まずコワーキングスペースを開業するに当たって必要なものは場所、スペース、つまりは物件です。その後に設備、ネット環境やワーキングスペースの居心地や使いやすさの為にデスクやロッカーなどが必要になって来ます。

利用者にフリードリンクや軽食などのサービスを提供するところも多くそのための設備も必要となります。また人件費の面では営業時間をどれくらいにするかで費用が変わって来ます。開業場所を選ぶに当たっては上記のような様々な情報をもとに適切な設定を設ける事が重要となります。

  • 立地
  • 設備
  • 営業時間

立地によるコワーキングスペース経営への影響

これに関してはコワーキングスペースの運営に当たって一番重要な部分になると言えます。利用者にとってコワーキングスペースを利用する利点として最も大きいものはアクセスであるとも言えます。

リモート勤務で在宅で仕事ができる中、環境設備面や他の利用者とのコミュニケーションという利点を求めてコワーキングスペースを利用する人が多いと思われます、家から遠かったり、乗り換えなどが多かったりした場合オフィス通勤するのと同じデメリットを背負ってしまうことになりコワーキングスペースを利用するメリットがあまり感じられなくなってしまいます。

駅の近く、さらに多くの路線から利用可能な立地というのが望ましいと言えますがこういった立地にコワーキングスペースを開業する場合デメリットとなってくるのが賃料となります。

好立地で駅からアクセスの良い立地は賃料が高くなりがちです。コワーキングスペースの経営にかかる費用として賃料は大きな部分を占めます。コワーキングスペースとしてはある程度大きなスペースがあることが望ましく、それなりの席数がなくては利用者の満足する環境が整えられません。

好立地でありながら賃料が低い事が望ましく開業するに当たって一番難しい判断になると思います。

設備投資がコワーキングスペースに与える影響

コワーキングスペースは飲食店舗などに比べて特に居心地が重要となります。環境設備を整える事が重要となるため、席数を考えながらも1席1席の環境を整えなくてはいけません。リラックスできるような席や集中できる席等、利用者の望む環境を整える必要があります。その中で経営側としては席数は多いほうが良いので、席数と席の環境という点でバランスをとってレイアウトする必要があります。

また普通のオフィスと差別化を図る必要もあるのでデスクやテーブルに気を使う必要があり、観葉植物などのインテリアも必要になってきます。また他の利用者とのコミュニケーションを取れるのもコワーキングスペースの魅力の一つなのでそういったコミュニケーションを取る場も設ける必要があるかもしれません。

営業時間を経営面から考える

営業時間に関しても開業時にはしっかりと考えて決める必要があります。スペース利用で集金する形のビジネスになるので営業時間は長いほうがメリットはあります。

とは言えコワーキングスペースの営業にはスタッフも必要であるため利用者の少ない時間帯は無駄に人件費を浪費することになってしまいかねません。地域性も大きく作用するので地域性等もリサーチしておくことが必要になります。

コワーキングスペース経営の形

最近ではコワーキングスペースのフランチャイズ展開も多くなって来ています。フランチャイズとしてコワーキングスペースを経営するメリットとして最大のものは集客にあると言えます。

個人でカフェや飲食店の一角をコワーキングスペースとしても利用者に周知されるまでにはかなりの時間がかかります。また利用してくれた方の中である程度頻繁に利用していただけるような環境を維持できないと利用者は減ってしまうので黒字化を達成するためには大きなハードルがあります。

フランチャイズでコワーキングスペースを経営する利点

フランチャイズで経営する事により同じ系列の利用者が利用してくれる場合もあります。同じサービスを受けられるのであれば利用者がどこの店舗を利用するかという選択で一番重要なのは近さや利便性となります。

立地の良い場所でコワーキングスペースを開店させるのであればフランチャイズ契約をすることで初月からある程度の利用客を見込むことが出来ます。またカフェ+コワーキングスペースのように兼業で空きスペースをコワーキングにする場合はフランチャイズで開店することで自身の時間をコワーキング経営に取られる事がなくなるので兼業のカフェ等の経営にある程度集中することができるのがメリットとなります。

コワーキングスペース×(掛ける)〇〇(まるまる)、兼業スタイルのコワーキングスペース

賃貸物件でのコワーキングスペース経営では空きスペースを有効利用できるのは利点なのですが収入源がコワーキングスペースだけでは経営を成り立たせるのが難しいという現状から、コワーキングスペース以外にも収入源を持つ形のほうが経営が安定して運営出来ます。もともとカフェや飲食店などの空きスペースをコワーキングスペースとして開業するパターンも多くなっており、空きスペースの有効利用という面で広がりを見せています。

コロナ禍の影響もあり空いているスペースの有効活用という点でコワーキングスペースの価値が見直されているのだと思います。

コワーキングスペースを利益面で考える

ここまで書いてきたコワーキングスペース経営に関して、ここからは利益面から考えて行きたいと思います。早い話コワーキングスペースは儲かるの?ということです。実質コワーキングスペースというものは現状利益率のかなり低い業態と言えます。固定の利用費を頂いて5時間、8時間という長い時間スペースを利用していただくので席数によって売上の最大値が大体決まってしまいます。

また時間を売るという形のサービスになるので例えば午前中の利用者が少なかった時点で午後から巻き返して売上を上げる事は出来ないのです。飲食店やカフェと違い、物販での売上が見込めるものではないので時間を失ってしまうと取り戻すことが出来ないという点があります。

そのためドロップインの利用者に対して時間単位で料金を設定したり、営業時間を早める、遅い時間まで営業する等の工夫をしてできるだけ売上の最大値を上げる事が必要になります。こういった施策も利用者の特性などによって変わって来るので店舗ごとに利用者と触れ合いながら運営することが大切になってくるかと思います。

コワーキングスペース開業の最大の壁、立地。

コワーキングスペース開業に当たって最大の要因となるのは先にも書きましたが立地であることは間違いありません。これはコワーキングスペースだけではなく飲食店などのサービス業には必ず大きな影響をもたらす要因となります。立地選択には必ずしも正解はありませんが、重要な点はどのような利用者を見込んでいるかという点です。飲食店でもファミリーレストランと居酒屋では必要な立地が異なります。ファミリーレストランであれば必ずしも都心である必要はなく、むしろ郊外の方がメリットは大きいと言えます。ある程度大きなスペースが必要となりますし、車で来店する利用者が多い業態なので賃料を考えても少し都心からは外したほうがメリットが大きいと言え、幹線道路脇などの立地が好立地となります。居酒屋であればオフィス街の駅の近くの立地などが適しているように業態によって好立地は異なります。コワーキングスペースも独自の好立地というものが存在していると思います、まだまだ発展途上の業態ではありますが現状の情報からどのような場所がコワーキングスペースに取って好立地となるのか考えて行きたいと思います。

コワーキングスペースにとっての好立地とは

コワーキングスペースにとっての好立地とはどのようなものなのでしょうか。現状コワーキングスペースの閉店が多い地域を見てみると渋谷や池袋等の都心が目立ちます。原因としてはスペースの賃料が高く、利益が出せずに閉店してしまうケースが多いのだと思います。

まだまだ日本のコワーキングスペースは過渡期にあるため利用者は増加傾向にありますが、初めて利用する方に対して利用料金の設定が高いとハードルが上がってしまいます。まだまだ多くの利用者にとって入り口はオフィスに出勤せずに集中して仕事ができる場所というニーズが多いのだと思われます。

わざわざ都心に行くのであればオフィス出勤とあまり変わらない等、都心で展開するに当たってのデメリットが他の業態よりも若干高いのではないかと思われます。とは言えあまりにも郊外に出店してしまうと人が集まらず本来コワーキングスペースの利点である交流が持てず、ただの貸しスペースとなってしまいます。

利用者がある程度望める環境でなくてはならないので見極めが難しいところであるとは思います。参考にするのであれば地域に他にコワーキングスペースがあるか。

利用者がどのくらいいるかを見極め、地域で2店舗目、3店舗目くらいになる立地が望ましいと思われます。全くコワーキングスペースのない地域での開店は不確定要素が大きいのでギャンブル性が高くなりすぎます。ある程度需要があることが前提になり、その上で利用者の特性を見て利用者の利用しやすい環境を作って差別化することが成功する近道なのではないかと思います

まとめ、黒字化したあとは持続した利益を上げる経営を

コワーキングスペースの経営に当たって、まずは黒字化することが1つ目のハードルとなりますがその後は持続して利益を出していくという課題があります。

コワーキングスペース経営に関しては飲食店などに比べて持続させるハードルは少し低めです。物販に頼らない為、経費が一定に抑えられるため、黒字化した後は利用者を増やす事で右肩上がりの売上増加が見込めます。

まだまだ発展途上の業態のため地域に新たに参入する同業者が増える可能性があることが考えられますが今後利用者自体が増えると思われるのである程度はむしろプラスになると考えていいでしょう。

とはいえ同業が増えるのであれば差別化を意識しなくてはいけません。利用者のニーズに敏感に設備を更新する必要があるかもしれませんので余力をもった経営が望ましいと思います。またコワーキングスペースの魅力の一つである人と人とのつながりを作る事を意識し地域に根づいた経営をする事が望ましいと思われます。