コワーキングスペース料金相場!ドロップインと月額制はどう違う?

コワーキングスペース

オフィスを持たない個人事業者や起業家、在宅勤務にシフトした会社員が増加傾向にある今日、「コワーキングスペースを利用したいけれど、いまいちシステムが分からない」「費用は、どのくらいを想定しておけばいいのだろうか」そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

初めてコワーキングスペースを利用するとなると、実際の店舗はどんな料金システムで、どういったサービス内容なのか、事前に情報の詳細を知っておきたいですよね。利用するコワーキングスペースを選ぶときに、ある程度の知識があるのとないのとでは、自分の目的に合った店舗選びがスムーズに行えるかといった点において、大きな違いとなるでしょう。

コワーキングスペースの料金システムには、「月額会員制」と「ドロップインサービス」の二種類があり、料金や提供されるサービス内容、利用可能な設備に、大きな違いがあります。そこで今回は、コワーキングスペースの料金システムの概要や料金相場、料金システム別のサービスの違いについてご紹介します。

ぜひ、記事の内容を参考に、自分にとって最適なコワーキングスペースの利用方法を見つけましょう。

コワーキングスペースの料金システムとは?

コワーキングスペースの料金システムは、主に「月額会員制」と「ドロップインサービス」の二種類です。月額会員制が一般的ですが、中にはドロップインサービスという、時間や1日単位でコワーキングスペースの利用料金が決まるサービスを取り入れている店舗もあり、どちらか自分が希望するシステムを選択できるようになっています。それでは、それぞれのシステムの内容について見ていきましょう。

月額会員制とは

コワーキングスペース料金相場!ドロップインと月額制はどう違う? (4)

月額会員制とは、その名のとおり、一月いくら、と決まった金額をまとめて支払う料金システムのことです。しかし、一口に月額会員制といっても、プランの内容はコワーキングスペースの運営会社によって大きく異なります。ここでは、月額会員制のプラン内容の例を6つ挙げています。

  • 全日
  • 平日のみ
  • 土日祝のみ
  • 時間指定(夕方5時以降の利用など)
  • 利用回数に制限あり(月5回までなど)
  • 年齢制限あり(学生や25歳以下限定プランなど)

このように、コワーキングスペースを利用する人の属性や利用頻度に合わせたプランをいくつも用意することで、他の店舗との差別化を図り、いろいろな利用者層を取り込む仕組みを作っているのです。そのため、なるべくお得なプランを選ぶためにも、利用者は契約をする前に、自分がどのようにコワーキングスペースを利用するのか考えておく必要があります。

例えば、土日祝日関係なく毎日のように利用したい人は全日プランを選択した方がお得ですが、気分転換として月に数回利用したいということであれば、利用回数制限プランやドロップインサービスを利用した方が安く済みます。

月額会員制を選択する場合は、自分のコワーキングスペース利用方法を一度考えてから、自分に合った最適なプランを選びましょう。

ドロップインサービスとは

ドロップインサービスとは、1日単位や時間単位でコワーキングスペースを利用するサービスのことです。「利用時間の長さに関係なく1日あたり1,000円」といった1日単位の料金プランが基本です。店舗によって異なりますが、「1時間500円」のような時間単位のプランも存在します。

ドロップインサービスは、面倒な手続きなしに気軽に利用できるので、初めてコワーキングスペースを利用する人や旅行先など出先で集中できるワークスペースを求めている人、フルタイムで働いた後の夜間に利用したい人、在宅ワークの気分転換のためにたまに利用したい人などには、ドロップインサービスの利用がおすすめです。

いつもはカフェや自宅で作業や勉強をしている方も、一度ドロップインサービスを活用してコワーキングスペースを利用してみると、いつもと違う環境下に置かれるため、いい刺激になるでしょう。

月額会員制とドロップインサービスの料金相場

コワーキングスペースの料金システムが二種類あることが分かりましたが、店舗を利用しようと考えている方にとって、もっとも気になるポイントが料金相場でしょう。それでは、月額会員制とドロップインサービスの料金相場をそれぞれ見ていきましょう。

月額会員制の料金相場

月額会員制の料金相場は、席の種類とプラン内容によって異なります。プラン内容別の料金相場はコワーキングスペースによって大きく異なるので、ここでは基本的な全日プランの料金相場を例にご紹介します。月額会員制の席ごとの料金相場(全日プラン)は、以下の通りです。

  • フリー席:月々5,000円~10,000円程度
  • 固定席:10,000円~30,000円程度
  • 個室:50,000円程度

オプションとして、コワーキングスペースの住所利用が1,000円~3,000円程度で申し込みできる店舗もあります。住所利用とは、コワーキングスペースの住所や電話番号を会社の所在地や番号としてホームページや名刺に記載できたり登記に使えたりできるサービスのことです。住所利用の料金は、プランに組み込まれてある店舗もあるので、利用したい方は気を付けてチェックしておきましょう。

今回は、全国の平均相場をご紹介しましたが、コワーキングスペースが都市部エリアにあるのか地方エリアにあるのか、地域によって月額会員制の料金は大きく変動します。東京を含む首都圏の料金相場がもっとも高く、続いて大阪や神戸といった関西、名古屋を中心とした中部、そして九州の中心地である福岡といった順番に、相場は安いです。

コワーキングスペースには、フリードリンクサービス・利用者専用ロッカー・コピー機・Wi-Fi・電源の使用といった魅力的なサービスや設備が数多くあります。そういったポイントを踏まえると、普段カフェでコーヒーを飲みながら仕事や勉強をしている方であっても、総合的に考えると月額会員制を利用した方がお得なケースもあるでしょう。

ドロップインサービスの料金相場

ドロップインサービスの料金相場は、1日あたり1,000円~3,000円程度です。多くの店舗では、利用開始から1~2時間は、1時間あたり300~500円程度で利用することができます。月額会員制の料金相場と比べると、どうしても割高に感じてしまいますが、フリードリンクや備品の利用も含まれた金額だと考えると、適切な価格帯であることが分かるでしょう。

予約をせずにコワーキングスペースを訪れたとしても、席に空きがあればすぐに利用できるケースも多く、時間の延長も10分~30分単位で行うことができるのも魅力です。

そのため、毎回カフェを利用するより、ドロップインサービスを利用した方がコストパフォーマンスも利便性もいい場合が大いにあり得ます。初回の利用は、無料や100円~200円程度の店舗も多いので、まずはお試しでドロップインサービスを利用してみるのもいいでしょう。

月額会員制とドロップインサービスの違い

コワーキングスペースの料金システム「月額会員制」と「ドロップインサービス」には、料金の違い以外にも、利用できるサービスや設備面で大きく異なるポイントがあります。両方の料金システムの特性を知って違いを理解しておくと、自分の目的や状況に合った使い分けができるようになるので、二つの違いを確実に押さえておきましょう。コワーキングスペースの月額会員制とドロップインサービスの違いは、次の3つです。

  • サービスを利用できるようになるまでの流れ
  • 利用できるサービスの範囲
  • 利用できる設備

それでは、一つ一つ見ていきましょう。

サービスを利用できるようになるまでの流れ

1つ目の違いは、サービスを利用できるようになるまでの流れです。月額会員制とドロップインサービスは、コワーキングスペースを実際に利用するまでに必要な行程が大きく異なります。

ドロップインサービスは、店舗の受付で利用者名などの項目を記入して利用登録を行うだけで、コワーキングスペースを利用することができるサービスです。事前の予約や登録は基本的に不要なので、初回利用であってもその場で簡単に利用手続きが行えます。

一方、月額会員制を希望する場合は、事前にホームページなどから申し込みを行う必要があり、利用できるようになるまでに少なくとも数日かかります。そして、初回利用の当日に、店舗で施設案内・面談・入会手続きを1時間程度かけて行い、晴れてコワーキングスペースを利用することができるようになるのです。

月額会員制の事前の申し込みをせずに、店舗に行ってその場で受付をしてもらえる店舗もありますが、入会手続きは時間を要するため、対応できるスタッフがいない場合、断られてしまう可能性も十分あることを覚えておきましょう。

月額会員制を利用を検討している方も、初回は気軽に利用できるドロップインサービスを使って、コワーキングスペースの雰囲気や使い勝手を把握したうえで申し込むと、「思っていたのと違った」と後悔する可能性も低くなります。

利用できるサービスの範囲

2つ目の違いは、利用可能なサービスの範囲です。月額会員制とドロップインサービスは、コワーキングスペース利用時に受けることができるサービスが大きく異なります。

ドロップインで無料で利用できるサービスは、コピー機やフリードリンクの利用に限られていることがほとんどです。一方、月額会員制を利用すると、ドロップインサービスでは利用できなかったさまざまなサービスを受けることができます。具体的に、どのようなサービスが利用できるようになるのか、8つの主なサービス例をご紹介します。

  • 法人登記や住所利用サービス
  • 電話利用サービス(着信場所に設定できる)
  • 郵便物や宅配便の受け取り場所に設定可能
  • 利用者同士の交流会などイベントへの参加
  • 専門家のサポート(弁護士や税理士など)
  • 固定席の利用
  • 子どもの預かりサービス
  • 早朝や夜間の利用(受付不要のため、スタッフ不在時でも利用できる)

コワーキングスペースにオフィスとしての機能を求める方にとっては、住所利用サービスや郵便物等の受け取りサービスは、特に外せないポイントです。また、フリーランスになったばかりの方にとっては、他の利用者との交流が推奨されている店舗や専門家にビジネスの悩みを相談できるサービスを行っている店舗を選ぶことで、単なるワークスペース以上のメリットが得られます。

コワーキングスペースによって内容や利用料金は異なるため、事前にどのようなサービスがあるのかチェックしておくことで、自分が求めるサービスを提供しているコワーキングスペースを見つけることができるでしょう。

利用できる設備

3つ目の違いは、利用可能な設備です。月額会員制では無料で利用できる設備が、ドロップインサービスでは有料となったり、そもそも利用ができなかったりといった風に、料金システムの差別化がなされています。月額会員制かドロップインサービスかによって、利用できるかできないか変わることが多い設備は、次の4つです。

  • ロッカー
  • 会議室
  • 駐車場
  • 会員限定のワークスペース

コワーキングスペースによって、利用できる設備や料金設定は大きく変わります。コワーキングスペース選びで悩んでいる方は、こういった料金システムごとの違いに着目して選んでみるのもいいでしょう。

まとめ

今回は、コワーキングスペースの料金システム「月額会員制」と「ドロップインサービス」についての概要や料金相場、利用できるサービスや設備についてご紹介しました。

オフィスとしてコワーキングスペースを利用する際には、まずはドロップインサービスで様子をつかんだ後に、月額会員制へと移行するのが一般的な流れです。店舗によって、それぞれの料金システムの内容や料金は異なるので、利用を検討しているコワーキングスペースのホームページ等を参考に、自分に合った店舗を探すことが必要になります。

ぜひ、今回の記事を参考に、自分にとって最適なコワーキングスペースとの付き合い方を見つけましょう。