レンタルオフィスとは(Rental office)日本語にすると「貸し事務所」のことです。
英語では、Serviced office(サービスオフィス)と呼ばれることが一般的で、日本語にすると「サービス付きの事務所」という意味になります。
一般賃貸オフィスの場合、所有者と賃貸借契約を交わし、保証料、賃料等を支払うことで、その専有空間を単独で利用することができる契約となります。 一方、レンタルオフィスは一つのオフィス空間を区分けし、その区分けした専有空間の1つ、1つを複数の利用者がそれぞれ契約して、 契約者だけが専用使用できる個室のオフィスとして利用します。
オフィス全体としては複数の利用者で共有するが、共有スペース以外に、契約者しか使用できない各々の専有スペースがあることが、レンタルオフィスの大きな特徴であり、初期コストやランニングコストが、一般賃貸オフィスより抑えられるのがメリットとなります。
専用の個室スペースは、オープンスペースと違い、施錠もできるため、 通常の事務所のように、備品や書類やPC等、物を置きっぱなしにしておくことができます。 レンタルオフィスでは、すぐビジネスを始められるために必要な、 以下の様なサービスが一般的にあります。
・専用の個室ワークスペース(個室オフィス)
・オフィス家具(机、袖机、椅子など)が備え付けられている
・インターネットが使えるWi-Fiや専用線等ITインフラが準備されている
・複合機、スキャナー、ラウンジ、貸会議室、オフィスドリンクなどの共有設備がある
元々、欧米では共同利用型オフィスなどには、Serviced Office(サービスオフィス)Coworking Space(コワーキングスペース)があり、別々なものと扱われていた。 2008年頃から、徐々に同じ施設内に両者の特徴が混在する施設が出始め、増加したため、両者を含めてFlexible Office(フレキシブルオフィス)という呼び方が生まれ、更に近年ではFlex Office(フレックスオフィス)と呼ぶように変化をしてきている。
レンタルオフィス(サービスオフィス)は、1962年に米国のOmniOffices社が始めたものが、世界初とされています。ニューヨークで弁護士などの士業向けに始まった。
各士業事務所の受付業務や郵便物対応業務を集約することで、コストパフォーマンスと利便性を高めました。 1978年に士業だけではない、一般企業を顧客とするServcorp社がオーストラリアで創業。
1995年にコワーキングスペースの原型が生まれました。 ドイツのベルリンで非営利団体のc-baseが設立。
共同のワークスペースに非営利のエンジニア向け(会員)にWifiサービスを提供。これが、Hackerspace(ハッカースペース)と言われました。 コワーキングスペースと言う名称や今の概念、自体が生まれたのは、2005年の米国とされています。
ソフトウェアエンジニアのBrad Neuberg(ブラッド・ニューバーグ)氏が、一人で閉じこもって働くことに飽き、仕事と他者との交流を両立できる理想的な空間を求め、市民センターの一室を借り、在宅で仕事をするワーカーに向けて広告を出したのがコワーキングスペースの米国で最初とされています。
余談ですが、コワーキングは、co-working とハイフン付きと、coworkingとハイフン無しで書く場合があります。 co-working という単語は昔からあり、同じ会社の同僚という意味になります。
今のコワーキングという概念は、前述のようにBrad Neuberg(ブラッド・ニューバーグ)氏の呼びかけによって始まったとされています。 その時に同僚を意味するco-workingではなく、独立した個人が集まって仕事をする場所という意味の言葉として、coworkingという単語を作り出したとされています。
2008年、コワーキングスペースとサービスオフィスが混在したオフィスが生まれる。
オランダのアムステルダムにSpaces社が創業。入居企業同士が交流しあうサービスオフィスとして、コワーキング特有のコミュニティ機能を付加した、今の形のレンタルオフィス(サービスオフィス)。
通常のオフィス賃貸でオフィスを開設する場合、多額の初期費用がかかります。
敷金(保証金)、礼金などの費用で6か月~12か月分の賃料を支払う場合が多く、それだけで数百万円、大きなオフィスになると千万円を超える費用となります。
更に、オフィス家具、内装工事費、通信インフラ設備を整えるのにかかる費用などが必要となります。 レンタルオフィス(サービスオフィス)でも入居時に保証金等がかかる場合がありますが、賃料1か月ー3か月分程で、基本となる月額賃料自体が低いことから初期費用を安くすることができます。
また、保証金等がかからない施設や、フリーレントなどのキャンペーンを行っている施設もあります。
通常のオフィス賃貸でオフィスを開設する場合、入居当日にITインフラやオフィス家具を整えることは難しいケースがほとんどです。 その点、レンタルオフィス(サービスオフィス)なら、インターネット環境やOA機器などのITインフラ、デスクやチェア、袖机、収納などのオフィス家具など、業務に必要な環境が元から整っているため、すぐに仕事を始めることができます。 通常のオフィス賃貸の場合は、間取りに合う収納、デスク、椅子、袖机など、 オフィス家具自体を探す時間や、その家具が届くまでの時間、インターネット環境の構築、OA機器調達や設定など、手間と時間が必要ですが、レンタルオフィス(サービスオフィス)なら、そういった手間や時間が必要がありませんので、初期費用、時間の節約になります。
レンタルオフィス(サービスオフィス)の賃料には、通常のオフィス賃貸であれば、別途で費用の発生する管理費、水道光熱費、設備のメンテナンス費が基本含まれていることがほとんどで、こうした費用を負担することが不要です。
またプリンターや複合機などのOA機器やインターネット回線の不具合や不調などが起こった場合、トラブルシューティングを施設運営側に任せられるのも、手間、時間などの負担を抑えられることになります。
そして、レンタルオフィス(サービスオフィス)の場合、多種多様な方がスペースを共有していることもり、衛生面と心地よさを配慮し、ほとんどの施設運営側が定期的に清掃を行っています。キレイで心地良い環境で仕事ができる仕組みが整っています。
通常のオフィス賃貸では信用や社歴などで、入居が難しい場合でも、レンタルオフィス(サービスオフィス)なら一等地の住所の施設やビルで事務所を開設することができます。 名刺、WEBサイト等でその住所を使うことができ、施設やプランによってですが、法人登記までできるところがほとんどです。 一等地のビジネス住所であることや有名ビルに入居しているなどで、信用やイメージは大きく変わりますので、ビジネスを進める上で大きなメリットの一つです。 通常のオフィス賃貸では、一等地のビジネス住所や有名ビルで契約するには高額な費用が必要であり、なおかつ、少人数に向いた適度な広さのオフィスを探すことが困難です。 その点、レンタルオフィス(サービスオフィス)なら一等地の有名ビルに1人のからオフィス入居することができます。
レンタルオフィス(サービスオフィス)のほとんどは、1名用から数十名用まで複数のサイズの個室が用意されています。会社の状況によってスタッフが増えたり、減ったりした場合、住所や施設を変えることなく、ビジネスを継続することができます。 また、通常のオフィス賃貸の場合、年間契約になることが多いので、次の更新時期まで待つ時間や、新たな事務所を探す時間も必要になりますし、それに付随して住所が変更になることによって、名刺やWEB、登記の変更も必要になりますが、レンタルオフィス(サービスオフィス)であれば、そういう手間が不要になる可能性があります。
通常のオフィス賃貸の場合や自宅などにはない、レンタルオフィス(サービスオフィス)の昨日が、情報交換の場やコミュニティです。 多数多様な業種、業界の企業や方が入居するレンタルオフィス(サービスオフィス)では、イベントが開催されることが多くありますし、資金調達についての相談などもできる運営会社もあります。この様な機会を活用することで、ビジネスの拡大やアライアンスにつながる可能性があり得ます。
カフェで仕事をしていると通信環境のセキュリティが気になる場合があると思います。
万が一、取引先に損害を与えるような情報漏えいなどのセキュリティ問題があると、その後の会社経営や継続性に影響を及ぼします。 ITセキュリティ対策を行うのは容易ではありませんし、セキュリティ担当者やエンジニアを雇用するには、別途人件費などの費用が発生する場合が多いと思いますが、 高セキュリティを提供するレンタルオフィス(サービスオフィス)は多くありますし、中にはセキュリティ担当が常駐している施設もあります。
コワーキングスペースやバーチャルオフィスと比べてレンタルオフィス(サービスオフィス)の大きなメリットは、特定の業種においてコワーキングスペースやバーチャルオフィスだと取得できない許認可が取れるということです。 人材派遣業・税理士・人材紹介業・古物商・宅建業などの業種は、コワーキングスペースやバーチャルオフィスでは、許認可が得られませんが、レンタルオフィス(サービスオフィス)では、他人が入れない自分専用の個室を用意することできるため、許認可取得のための一つ条件を満たすことになり、許認可が得られる可能性があります。
レンタルオフィス(サービスオフィス)では、 共用部分が充実している施設が多く、ラウンジや会議室などの共有スペースを使えます。
通常のオフィス賃貸では、専有部分に自前で会議室等を用意することになりますが、レンタルオフィス(サービスオフィス)では、その必要がない場合が多く、会議室に既に、Wi-Fi、テレビモニター、ホワイトボードなどが既に用意されています。
通常のオフィス賃貸には、取引先などからの電話や来客対応のための窓口機能や事務員がいる企業が多く、その業務を行うための事務を雇用したり費用が発生します。 その点、レンタルオフィス(サービスオフィス)の施設によっては、有人受付が常駐し来客対応、バイリンガル対応、電話代行や秘書サービス、雑務、経理、総務業務など、様々なサービスがあります。人を採用せずに、こういった便益を必要なときに必要な分だけの費用で受けられるのもメリットの一つです。
単純なコワーキングスペースやバーチャルオフィスに比べ、 レンタルオフィス(サービスオフィス)は、自分のみ専用使用できる個室が契約できるという特徴があります。専用使用の個室には、通常のオフィス賃貸の様に、備品や書類やPC等物を置きっぱなしにしておくことができますし、施錠することもできます。
レンタルオフィス(サービスオフィス)ではオフィス家具の入れ替えや、好きな改装することはできません。また、在庫のために広いスペースが必要な業種、大きめの機材の持ち込みが必要な事業には向きません。 内装を自由に変更したい場合や、向かな業種の場合は、デメリットとなります。
レンタルオフィス(サービスオフィス)は、多種多様な人が出入りがする特性上、セキュリティに注意が必要となります。 専用個室に金庫を購入し、管理を徹底されている会社もある様です。
今後益々レンタルオフィス(サービスオフィス)は増加すると予定されています。 競争が激しさを増すと、廃業していく施設や運営会社もあります。 その場合、別のオフィスを探したり、住所が変わることにまつわる名刺やWEB、登記の変更、税務署へ変更届を出したり、余計な手間と時間を取られる可能性があります。
レンタルオフィス(サービスオフィス)を選ぶ際、WEBページや、契約者数、実績や利用者の口コミ、直接内覧や運営会社やビル自体の解体予定はないかなど、総合的に判断することが大切となります。
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