サービスオフィスとは、英語表記ではserviced officeと記載します。 日本語にすると「サービス付きの事務所」という意味になります。
日本ではサービスオフィスという呼び方より、レンタルオフィスという呼び方が一般的で、 基本的に同じものですが、各運営会社により、サービスオフィスと呼んだり、レンタルオフィスと呼びます。
近い言葉には、シェアオフィスやコワーキングスペースがあります。 シェアオフィスやコワーキングスペースは個室ではない共有のオープンスペースを指しますが、サービスオフィスやレンタルオフィスは個室であるというのが一つの特徴です。 専有部分になるので、コワーキングスペースなどの共有スペースと違い、自分や自社、関係者などしか使用することはできません。
サービスオフィスは、一般的な賃貸オフィスと違い、内装工事やデスク、チェアなどのオフィス家具、OA機器、ネット環境などの通信インフラなどを自前で揃える必要がなく、ビジネスに必要な設備や最初から揃っています。 そのため、サービスオフィスは初期費用と維持費が一般的な賃貸オフィスと比べて抑えられます。
また、使用人数が少ない場合、サービスオフィスは一般賃貸オフィスに比べて割安になります。使用人数が多くなるとサービスオフィスが割高になる場合があります。
借りる賃貸オフィスや選ぶサービスオフィスによりますが、 おおむね、使用人数が10人規模程度までであれば、サービスオフィスの方が一般賃貸オフィスに比べて割安になるケースが多くなります。
基本的にサービスオフィスの運営会社は、まず賃貸オフィスビルのワンフロア―や複数のフロアー、一区画を借ります。
その借りたスペースを小規模に、1人用、2人用、3-5人用などに分割した個室のワークスペースや共有スペースであるコワーキングスペース、会議室などをレイアウトし、オフィス家具や通信インフラを整え、入居者や入居企業を募集します。
具体例を一つあげますと、ギンザシックス13階にサービスオフィスの「weworkギンザシックス」があります。「weworkギンザシックス」の運営会社はWeWork Japan合同会社ですが、ギンザシックスのビル自体は、GINZA SIXリテールマネジメント株式会社が運営しています。
関係を整理しますと、WeWork Japanがギンザシックスの13階を、GINZA SIXリテールマネジメントから借り、スペースを分割し、個室ワークスペースやコワーキングスペース、設備やサービスを整え、「weworkギンザシックス」というサービスオフィスを作り、入居者や入居企業を募集し、運営をしているということになります。
サービスオフィスとレンタルオフィスの明確な違いはありません。各運営会社が任意で、 それぞれの呼び方を選択しているのは現状です。
しかし、印象としては、受付などがない無人で、簡素な必要最低限のビジネス環境を提供している施設は、レンタルオフィスと呼ぶケースが多く、サービスオフィスは、受付が有人で、内装も高級感があり、設備も充実しているケースが多い印象です。
レンタルオフィスはお手頃、サービスオフィスは高級というようなイメージがあります。
共有スペースはコワーキングスペースやシェアオフィスと呼び、 同じ施設内の専有個室ワークスペースを、サービスオフィスやレンタルオフィスと呼びます。
サービスオフィスは特に費用面で、入居人数が少ない場合、一般賃貸オフィスに比べてコストが抑えられる特徴があります。逆に、入居人数が多く、同じ場所で入居期間が長いほど、一般賃貸オフィスはサービスオフィスに比べて割安になる特徴があります。
おおむね、入居人数が8人程度までであれば、5年入居しても総負担額で、サービスオフィスの方が割安。入居人数が16人程度でだと、2年入居するとサービスオフィスと一般賃貸オフィスの総負担額が同等ということになります。
サービスオフィスは、一般の賃貸オフィスに比べて、必要初期費用(イニシャルコスト)の面で圧倒的に低く抑えられる。経費は、敷金として月額賃料1-3か月分という施設が多い。そして敷金は、償却分を除いて退去後にすぐ返却となります。
一方、一般の賃貸オフィスに入居する場合は、敷金として月額賃料8-12か月分を支払う必要がある。また退去の際には原状回復義務があり、その費用を差しい引いて、解約明け渡し日から6か月後に敷金が返還されるのが一般的です。原状回復作業は、使用したオフィスを入居前の姿に戻すため、床や壁、天井の張替えなどの工事をする必要がある。更に、原状回復工事の期間中も賃料は発生する。
サービスオフィスは契約期間が、1-24か月程度で、中途解約は1-2か月までに通告すればいいことになっているものが多い。
一方、一般賃貸オフィスの契約期間は24-36か月程度、中途解約は6か月前までの通告としている物件が多い。このようにサービスオフィスの方が入居、解約がしやすくなります。
サービスオフィスでは、入居時にネット環境や通信環境が既に整っており、必要なコンセントの設置、デスクやチェア、袖机などのオフィス家具があらかじめ用意されている。希望のオフィスが空室であれば、契約完了後に即座に入居して、すぐにビジネスを始められます。 一方、一般賃貸オフィスの場合は同じようにはいきません。借りたスペースをオフィスとしてどう作りこんでいくかは、入居する企業が自ら行わなければなりません。これが手間のかかる作業になります。
電話回線やネットワーク環境の契約をし、配線の引き込みや電源、間仕切りなどオフィスレイアウト全体の配置を考え、工事を専門業者に依頼しなければならない。デスクやチェア、会議テーブル、キャビネット、茶器セットなどはどの程度用意するか、どんな品質のものを使うかなども決めて、手配が必要となる。空調や照明などについても個別に要望があれば、ビル管理会社と相談しながら工事を依頼する。
一般賃貸オフィスでは、自社の都合に合わせた思い通りのオフィス環境に仕立て上げることができるが、入居にあたって、入居工事費や什器備品費を用意しなければならならない。新しいオフィスに引っ越すとなると、直接外部と折衝の必要があり、移転作業にかなりの時間と手間がかかることになります。そしてこの入居前の工事期間中も原状回復時と同じように賃料が発生します。
その点、サービスオフィスでは、ビジネスで一般的に必要とされているものはすべて整っており、個室の専有ワークスペース内のデスクの配置やチェアなどの調整も可能です。
一流のビジネス住所であることや有名ビルに入居しているなどで、信用やイメージは大きく変わりますので、ビジネスを進める上で大きなメリットの一つです。
一般オフィス賃貸では、一流のビジネス住所や有名ビルで契約するには高額な費用が必要であり、なおかつ、少人数に向いた適度な広さのオフィスを探すことが困難です。 その点、サービスオフィスなら一流の有名ビルに1人のからオフィス入居することができ、法人登記もできます。
サービスオフィスの大きなメリットは、特定の業種においてコワーキングスペースやバーチャルオフィスだと取得できない許認可が取れるということです。
人材派遣業・税理士・人材紹介業・古物商・宅建業などの業種は、コワーキングスペースやバーチャルオフィスでは、許認可が得られませんが、サービスオフィスでは、他人が入れない自分専用の個室を用意することできるため、許認可取得のための一つ条件を満たすことになり、許認可が得られる可能性があります。
レンタルオフィス(サービスオフィス)ではオフィス家具の入れ替えや、好きな改装することはできません。また、在庫のために広いスペースが必要な業種、大きめの機材の持ち込みが必要な事業には向きません。 内装を自由に変更したい場合や、向かな業種の場合は、デメリットとなります。
今後益々レンタルオフィス(サービスオフィス)は増加すると予定されています。 競争が激しさを増すと、廃業していく施設や運営会社もあります。 その場合、別のオフィスを探したり、住所が変わることにまつわる名刺やWEB、登記の変更、税務署へ変更届を出したり、余計な手間と時間を取られる可能性があります。
レンタルオフィス(サービスオフィス)を選ぶ際、WEBページや、契約者数、実績や利用者の口コミ、直接内覧や運営会社やビル自体の解体予定はないかなど、総合的に判断することが大切となります。
サービスオフィスは特に、社員数が少ない会社や起業したばかりの会社、スタートアップ企業などにとって、メリットの多いオフィスだと思います。
コワーキングスペースが併設されていたり、有名ビルやAクラスビルに入居している施設も多くあります。見学も無料でできますので、興味がある施設がありましたら、見学してみるのをおすすめします。
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