ワークライフバランスの良い生活を送るために知っておくべき事

フレスペ

⬛ワークライフバランスとは

最近聞くようになってきたワークライフバランスとは一体何なのでしょうか?近年日本でも働き方改革などが社会に浸透しつつあり、耳にする機会が増えてきていますが、一部ではその本来の意味を正しく認識できていない方もいるようです。

働き方改革を大まかにイメージして仕事は9時間以内、プライベート7時間、睡眠時間は8時間、残業をしないようにしてプライベートな時間、睡眠時間を確保しようといった意味で捉えている方もいるかも知れません。

その捉え方も間違えている訳ではありません。しかしワークライフバランスとは本来そういった意味合いのものでは無く、仕事もプライベートもどちらも充実した状態のことを指します。プライベートが仕事の効率向上に寄与し、仕事の効率が上がることでプライベートの時間の確保や金銭面での充実などプライベートを向上させるといった好循環ができている状態を指す言葉です。

そのまま訳すと「仕事と生活の調和」となります。世界各国においてワークライフバランスの向上は課題となっており、各企業でも社員がより良いワークライフバランスを送ることにより生産性を向上できると考え様々な取り組みを行っています。

⬛日本における企業の取り組み

現在では働き方改革によりこのワークライフバランスの見直しが進められています。企業に対して求められるワークライフバランス向上のための取り組みは大きく分けて2種類あります。

・ファミリーフレンドリーまたは両立支援

・男女均等推進度

ファミリーフレンドリーとは働きながら家族との時間を両立させる事ができるような支援を指します。主に育児や介護などを行う必要がある人が働きながらもその時間を確保できるようにと考えられた支援となります。

・法律で定められている基準を上回る育児、介護休業制度が規定しているか。またその実態としてしっかりと利用されているか

・それぞれの仕事と家庭に配慮し、バランスを取るためにも柔軟な働き方ができる制度が規定されているか。またそれが実際に利用されているか

働き方改革の中でも主に少子高齢化に対して打ち出された施策がこのファミリーフレンドリーの取り組みとなります。高齢化による介護需要の増加、育児の為の時間が取れない事などの問題が指摘されており将来的にも更に大きくなる問題として注目されています。育児、介護休暇の設定やフレックス出勤、最近ではリモートワークなども含めて各企業によりファミリーフレンドリーな働き方の為の制度が取り入れられています。

男女均等推進度とは1985年に策定された男女雇用機会均等法に始まる企業内での男女差別の撤廃の流れからきています。近年では募集、採用、配置、昇進といった全ての事柄において男女の差別を禁止しておりますが、均等推進という概念には、

・均等 差別の撤廃

・推進 格差の解消

といった2つの側面があります。

差別の撤廃に関しては女性だから、男性だからといった性別だけを理由に判断する事が無いようにする。日本においては文化的に男性社会であった名残からも女性の労働機会創出に関しての取り組みが主になります。推進の部分、格差の解消に関しては配置、昇進において男女差別無く平等に行う事を目的とされています。これに伴っては能力や経験といったものでの判断も必要になるものです。解消のためには教育、経験といった面から男女平等に執り行う必要性があります。

このように日本においてのワークライフバランスは個人個人の生活向上というよりも少子高齢化の問題に対しての取り組みとして考えられている側面が大きいのが特徴となっています。

⬛ワークライフバランスが目指すもの

従業員のワークライフバランスを目指すメリット

従業員側から見たライフワークバランスを目指すメリットとはどのようなものが挙げられるでしょうか。

・子育てや介護など家族の事情を抱える人も仕事との両立ができるようになる

・自分で時間を調整できることで自身の健康や心身を維持できる

・資格獲得など自身のスキルアップに使える時間を確保でき、仕事面の充実にもつながる。

・リフレッシュすることで仕事の生産性もあがる

・趣味などに時間を当てられるようになりモチベーションの向上、仕事への集中力アップに繋がる。

などが挙げられると思います。

仕事として拘束されていない時間で自分や家族にとって大切なことを考え、そのことに時間を使うことができる環境が健全であり目指すべき豊かな社会と言えると思います。

事業主のワークライフバランスを目指すメリット

事業主側からみてもライフワークバランスの向上の為の施策を行うことはメリットがあります。

・雇用の際に強みとなり良い人材を獲得しやすくなる。

・残業などの長時間労働を効率化することで人件費を削減できる

・従業員のモチベーション向上、満足度向上に繋がり効率化を図れる

・企業イメージの向上

といったメリットが考えられます。

近年では各企業で様々な取り組みが行われており従業員としても企業を選ぶ上で重要なファクターとなっていると言えます。

⬛ワークライフバランスの背景

1980年代にアメリカでワークライフバランスという考え方が始まりました。その背景としてはITの技術が向上してきたことに伴い、女性が企業内で活躍できる環境が急速に広まり子育てと仕事の両立が難しくなった事から企業が支援の為に施行したものが始まりとなっています。この取組は1990年台には広がりをみせ、子供のいない従業員や男性従業員にも仕事とプライベートの両立ができる環境が必要であるという意見が叫ばれるようになってきました。

⬛アメリカでの現在のワークライフバランスの考え方

海外でもワークライフバランスに関しては様々な議論がされて来ました。そもそもワークライフバランスという言葉が使用され始めたのは最近のことでは無く、アメリカなどでは日本よりも休日、ホリデーといわれる長期休暇に対する意識が強く、ホリデーは家族で過ごすといった文化が根付いています。日本でもゴールデンウィークなどの長期休暇はありますが、アメリカのホリデーとは文化に根付くもので、クリスマスやサンクスギビング等の祝日に伴い家族で集まれるよう工夫されたものになります。それだけに企業にとっても従業員に対してホリデー休暇を与える事は必然であり、従業員の生産性向上、ストレス緩和のためにも当然必要な休暇と考えられています。もともとこういった背景を持つ国なのでワークライフバランスに関しても少し違った意味合いを持ちます。

例えばアメリカやヨーロッパのワークライフバランスとはどのようなものでしょうか。

・家族と過ごす時間はあるか。

・家族と旅行を楽しむ時間はあるか。

・趣味に費やす時間はあるか。

など広義な捉え方をした意見があります。自分にとって大切なもの、大切なことは何か。それに当てる時間は確保できているか。ということがワークライフバランスの本質としてあるのではないかと思います。以下は仕事の仕方についてアメリカの企業で従業員の取り組みとして行っている事として答えた内容です。

・仕事の順番付けを行い、時間のかかるものを一日の最初に持ってくる。比較的簡単な仕事を最後に持ってくる事で一日の終盤で急にスケジュールが伸びる事がなくなる。

・仕事の最後にその一日の仕事を見直す。一日の仕事を振り返る事で仕事とプライベートの区切りをつける。

プライベート時間をしっかりと取ることで一日のをストレス無く始める事ができ仕事への集中力を維持する事ができる。また一日の仕事を振り返る事で一日の区切りをつけプライベートな時間に仕事の事を意識しなくてもよくなり、ストレスにならない。といった点をあげています。

⬛コロナ禍でのワークライフバランスの見直し

近年コロナウィルスのパンデミックを受け、海外でも働き方に変革が起きています。リモートワークを行う企業が増えてきており、また新たな課題が生まれてきています。

・リモートワークのため自宅で仕事をすることにより仕事とプライベートの境界が曖昧になってしまっている事により家にいてもストレスを感じる

・リモートワークでフレキシブルなスケジュールになった為、仕事の時間とプライベートの時間が曖昧になり結果デスクに向かっている時間が長くなってしまっている。

・出勤がなくなり家にいるので外に出る事が少なくなり、運動不足になっている。

など、時間や場所の制限が無くなったからこそおきている現象が出てきているようです。地域によっては外出自体に制限がある地域もあるのでコロナ禍のストレスも相まってのものになりますが、現在のリモートワークに関してはコロナウィルスの影響で突然開始した企業も多く各自が自宅で働く環境を整えなくてはいけませんでした。

その為生活スペースと仕事のスペースを切り分けできていない方も多く、普段食事している場所で仕事をしたり、普段テレビを見て寛いでいる場所で仕事をしたりといったように仕事とプライベートの区切りが無くなってしまっているケースが多いようです。このようなケースでは仕事中にテレビが気になってしまい効率が落ちたり、テレビを見ている間に仕事が気になってしまいストレスが溜まったりと悪循環になる事が懸念されます。仕事用のスペースを家に設けたり、コワーキングスペースやレンタルオフィスを活用するなど、様々な対策をとっている方が増えているようですが、今後もリモートワークに関しては進化しいて行くのだと考えられます。

⬛ワークライフバランスの良い生活

ここまでワークライフバランスに関して書いてきましたがワークライフバランスとは個人個人にとって様々な形があります。個人個人が仕事の仕方から生産性の向上に取り組む面もあれば企業が従業員の生活を豊かにし仕事へのモチベーション、生産性を上げていこうという取り組みまで。

経済的にも心や体の健康のためにもより良い環境を維持し、より豊かな生活が送れるよう今後も考えて行かなくてはなりません。

今の自分が大切にしているものは何か今一度考えて見てください。家族でしょうか?、趣味でしょうか?、目標の為のスキルアップでしょうか?。それでは今それに対して費やす時間は確保できていますか?できていないと思った方はワークライフバランスが取れていないのかもしれません。今一度自身の生活環境に目を向けバランスをとる取り組みが必要かもしれません。